オフショア開発とは?インド委託の費用・契約・進め方
海外の開発会社にソフトウェア開発を任せるオフショア開発を、インドに開発チームを持つ当社が解説します。人月単価の相場、請負とラボ型の違い、英語でのやり取り、個人データの扱いまで、発注前に確かめたい点をまとめました。
5つのポイントでわかるオフショア開発
オフショア開発とは、ソフトウェアやシステムの開発を、海外の開発会社や海外にある開発チームに任せることです。人件費の低い国に委託して開発費を抑えることや、国内では集めにくいエンジニアを確保することが主な目的です。
- 費用:オフショア開発.comの調査では、インドの平均人月単価はプログラマーで37.5万円、PMで67.5万円です。ただし、総額は単価だけでは決まりません。
- 契約:成果物の完成を約束してもらう「請負契約」と、一定期間チームを確保する「ラボ型開発」が基本の選択肢です。
- 言語:当社のプロジェクトは英語で進めます。英語で直接やり取りするか、日本語の通訳役を置くかを最初に決めてください。
- 時差:インドは日本より3時間30分遅れています。どちらの国にもサマータイムがないため、この差は一年中変わりません。
- 個人情報:インドの会社に個人データを渡す場合は、個人情報保護法第28条の確認が必要です。
オフショア開発とは何か、ニアショア開発との違い
「オフショア」は、もともと「岸から離れた」という意味の英語です。IT業界では国外を指す言葉として使われ、日本の企業が海外の会社に開発を委託することをオフショア開発と呼びます。
よく比べられるのがニアショア開発です。こちらは、東京などの都市部から国内の地方にある開発会社に委託することを指します。日本語で、国内と同じ商習慣のまま進められる点が利点です。
オフショア開発を選ぶ理由は、おおむね次の3つに分かれます。
- 開発費を抑えたい。
- 国内で採用しにくい技術を持つエンジニアを確保したい。
- 開発の規模を、必要な時期だけ大きくしたい。
| 形態 | 委託先 | 主な利点 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 国内開発(オンショア) | 都市部の国内企業 | 日本語で、同じ商習慣のまま進められる | 人件費が最も高くなりやすい |
| ニアショア開発 | 地方の国内企業 | 日本語で進められ、訪問もしやすい | 対応できる人数や技術の幅が限られる場合がある |
| オフショア開発 | 海外の企業 | 人件費の低い国を選べ、採用できる人材の幅が広がる | 言語、時差、契約、個人データの扱いを事前に決める必要がある |
オフショア開発の費用:人月単価の相場と総額の考え方
オフショア開発の見積もりは、国内の受託開発と同じく「人月」で示されることがよくあります。人月とは1人が1か月働く作業量のことで、人月単価に人数と期間を掛けたものが開発費の目安になります。
市場の相場として、発注先選びを支援するオフショア開発.comが公開している国別の人月単価を下にまとめました。日本でよく比べられるベトナム、フィリピンと並べています。
| 職種 | インド | ベトナム | フィリピン |
|---|---|---|---|
| プログラマー | 37.5万円 | 40.1万円 | 37.2万円 |
| シニアエンジニア | 45.0万円 | 50.0万円 | 47.5万円 |
| ブリッジSE | 60.0万円 | 59.0万円 | 60.5万円 |
| PM | 67.5万円 | 71.4万円 | 63.5万円 |
数字の詳細はオフショア開発.comの単価比較で確認できます。同じ資料では、インドのプログラマー単価は前年から29.6%下がったとされています。
同じ職種どうしで比べると、3つの国の単価の差は最大でもPMの7.9万円で、割合にすると1割あまりです。総額を大きく左右するのは、国の違いよりも、仕様の誤解による作り直しの量と、ブリッジSEやPMなど管理側の人数です。安い単価で始めても、手戻りが続けば総額は上がります。
見積もりを比べるときは、次の費用が含まれているかを確かめてください。
- 要件定義と設計の費用
- 開発とテスト(テスト専任の担当者がいるかどうか)
- PMやブリッジSEなど、やり取りを担う人の費用
- リリース後の保守と、仕様変更の扱い
当社は人月単価での見積もりは行いません。まず2週間の要件整理(ディスカバリー)を開発とは別の料金で行い、そこでまとめた文書をもとに固定額でお見積もりします。要件整理の結果、既製品を買うほうがよいとお伝えすることもあります。
オーダーメイドソフトウェアの費用の目安は、範囲を絞った最初のバージョンで40,000〜150,000米ドル、複雑な企業向けプラットフォームで250,000〜500,000米ドル以上です。SaaSのMVPは30,000〜80,000米ドルが目安です。
請求は米ドル建てです。円での負担額は為替レートで変わるため、予算には幅を持たせることをおすすめします。費用が上下する要因は、オーダーメイドソフトウェアの費用のページ(英語)で詳しく説明しています。
ECサイトの費用はShopify構築の費用ガイドに、スマホアプリの費用はアプリ開発のページにまとめています。
請負契約とラボ型開発:どちらで発注するか
オフショア開発の契約は、大きく2つに分かれます。仕事の完成を約束してもらう「請負契約」と、一定期間、専属のチームを確保する「ラボ型開発」です。ラボ型は、日本の民法でいえば準委任契約に近い考え方です。
| 項目 | 請負契約 | ラボ型開発(準委任に近い形) |
|---|---|---|
| 約束するもの | 決められた成果物の完成 | 一定期間、決めたチームが作業すること |
| 民法上の位置づけ | 第632条(請負) | 第656条(準委任) |
| 費用の決まり方 | 範囲を固めたうえでの固定額 | チームの人数と期間に応じた月額 |
| 仕様変更 | 変更のたびに費用と納期を見直す | 優先順位をその都度入れ替えやすい |
| 向いている案件 | 要件がはっきりしたシステムやMVP | 機能を継続して足していく自社サービス |
| 発注側の負担 | 最初の要件定義に時間がかかる | 優先順位を決める担当者が毎週必要 |
民法上の請負は、一方が仕事の完成を約束し、もう一方がその結果に報酬を払う契約です(民法第632条)。準委任は、法律行為ではない事務を任せる契約で、委任の規定が準用されます(第656条)。
請負で納品されたものが契約の内容に合わない場合、発注者は修補などを請求できます(第559条により売買の規定を準用、第562条)。ただし、種類や品質の不適合は、原則として、不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、その権利を失います(第637条)。
注意したいのは、海外の会社と結ぶ契約では、どの国の法律を適用するか(準拠法)と、争いをどこで解決するか(管轄)を契約書で決める点です。日本の民法の考え方がそのまま使えるとは限らないため、署名の前に法務担当者や弁護士に確認してください。
当社の場合、範囲の決まった開発は、要件整理のあとに固定額で見積もる形で、考え方は請負に近いものです。範囲が変わるときは、費用と納期への影響を書いた変更依頼に合意してから着手します。専属チーム(英語)は月額で、優先順位は貴社の担当者が決めます。
知的財産の扱いも契約で決める項目です。当社の基本契約書(MSA)では、全額のお支払い後、貴社のプロジェクトのために作ったコード、デザイン、文章などの権利を貴社に譲渡します。当社が以前から持っていたライブラリや、再利用のために作ったツールは当社に残ります。
また、打ち合わせのご予約をいただいたら、まず双方向の秘密保持契約(NDA)を結び、そのうえで過去の開発事例をご説明します。
言語と時差:英語で進めるという前提
日本企業のオフショア開発では、日本側と海外のチームの橋渡しをするブリッジSEを置くのが一般的です。ブリッジSEは、要件を海外のチームに伝え、質問や進捗を日本側に返す役割を担います。
当社のプロジェクトは英語で進めます。日本語を話せるブリッジSEが付く体制ではありません。そのため、貴社側に英語の文書を読んで判断できる担当者がいることが前提です。社内に英語で仕事をするエンジニアやPMがいる会社や、海外向けのサービスを作る会社に向いています。
最初のご相談は日本語で構いません。サイトのLive Chatでは、チームからの返信がお使いのブラウザの言語に自動で機械翻訳されるため、日本語で書き込んでいただけます。
時差について。インドの標準時は協定世界時(UTC)より5時間30分進んでおり、日本は9時間進んでいます。つまりインドは日本より3時間30分遅れていて、日本の正午はインドの午前8時30分です。両国ともサマータイムがないため、この差は一年を通じて同じです。
参考までに、ベトナムは日本より2時間、フィリピンと中国は1時間遅れています。
距離を埋めるのは、会議の回数よりも記録です。当社では毎週、動くソフトウェアのデモを録画で共有し、終わった作業と遅れた作業をメモにまとめます。設計上の重要な判断は、理由とともに文書に残します。録画なら、時間が合わない方も後から確認できます。
個人データをインドの会社に渡すときの注意点
顧客情報などの個人データを扱うシステムをインドで開発・運用する場合は、個人情報保護法第28条(外国にある第三者への提供の制限)を確認してください。外国の第三者に個人データを提供するには、原則として本人の事前の同意が必要です。
同意がなくても提供できる主な場合は2つです。1つは、提供先が、日本と同等の水準の制度を持つと個人情報保護委員会が定めた国にある場合です。ガイドラインではEUと英国が該当し、インドは含まれません。もう1つは、提供先が委員会の規則で定める基準に適合する体制を整えている場合です。
個人情報保護委員会のガイドライン(外国にある第三者への提供編)は、外国の事業者に業務を委託する場合、その体制を確保する方法の例として、提供元と提供先の間の契約、確認書、覚書などを挙げています。どの方法が合うかは、法務担当者や弁護士とご確認ください。
実務で最も確実なのは、開発中に本番の個人データを渡さないことです。テストにはダミーデータを使い、本番データに触れる作業は範囲と担当者を決めて限定します。当社の要件整理では、脅威モデルとデータの流れ図を作り、パスワードやAPIキーなどの秘密情報の扱いも確認します。
なお、当社はISO/IEC 27001(ISMS)の認証やSOC 2の報告書を掲げていません。開発会社がこうした認証や報告書を掲げている場合は、どの会社であっても、認証機関や監査人の名前と報告書の日付を確かめましょう。
オフショア開発会社を選ぶときの6つの質問
候補の会社に同じ質問をして、答えを並べて比べるのが近道です。当社の答えも右の列に載せていますので、そのまま比較にお使いください。
| 質問 | よい答えに含まれるもの | 当社の答え |
|---|---|---|
| 誰が開発を率い、打ち合わせに出るのか | 営業担当ではなく、名前のわかる技術者 | コードを把握しているシニアの技術リーダーが参加し、設計はCTOが承認 |
| 進捗をどう見せるのか | 報告書ではなく、実際に触れる成果物 | 毎週、動くソフトウェアのデモを録画で共有 |
| リポジトリとアカウントは誰の名義か | 最初から発注者の名義 | 最初のスプリントから、リポジトリとクラウドのアカウントは貴社の名義 |
| 仕様変更をどう扱うのか | 費用と納期を書いた変更依頼 | 書面で合意してから着手 |
| 何語で進め、誰が訳すのか | 体制と担当者の名前 | 英語で進める。日本語を話せるブリッジSEは付かない |
| 個人データをどう守るのか | 契約と、データに触れる範囲の説明 | 要件整理で脅威モデルとデータの流れ図を作成 |
単価の安さだけで選ばないことも大切です。単価が安くても、仕様の誤解で作り直しが続けば総額は上がります。毎週、動くものを確認することが、その誤解を早く見つける一番の手段です。
日本語でのやり取りを最優先にするなら、日本語を話せるブリッジSEがいる会社を選ぶことをおすすめします。英語で直接やり取りできるなら、通訳役の費用と、伝言による時間のずれを減らせます。
Digital Heroesのオフショア開発の進め方
当社のエンジニアはインドのデリーとラクナウで働き、経営陣はニューヨークにいます。事務所はニューヨークとデリーの2か所で、日本国内に事務所はありません。日本からのご依頼も、すべてリモートで進めます。
範囲の決まった開発は、次の順に進みます。
- ご相談:チャットかオンライン面談で、作りたいものと現在の課題を伺います。
- 要件整理(2週間、開発とは別料金):要件、連携するシステムの一覧、リスクの一覧、最初の設計判断の記録、脅威モデル、データの流れ図をまとめます。
- 判断:14日目ごろ、文書にした範囲に対する固定額の見積もりか、既製品を使うべきという助言をお渡しします。
- 設計の承認:エンジニアが着手する前に、当社のCTOが設計を承認します。
- 開発スプリント:1週間から2週間ごとに区切り、技術リーダー、1人か2人の開発者、デザイナー、QAが貴社名義のリポジトリで開発します。
- 毎週のデモ:動くソフトウェアを録画で共有し、終わった作業と遅れた作業をメモにします。
- リリース:自動テスト付きのCI/CDと、テスト済みの切り戻し手順を用意します。大きなシステムはモジュールごとに公開します。
- リリース後:月額の保守契約か、設計メモ、運用手順書、説明会を含む引き継ぎのどちらかを選べます。
範囲を絞った開発では、3人から5人のチームになるのが一般的です。期間の目安は、MVPで8週間から12週間、本番運用するプラットフォームで16週間から28週間です。
英語での詳しい説明はオフショア開発のサービスページ(英語)にあります。Shopifyで海外向けに販売したい場合は、Shopifyで始める越境ECのガイドもご覧ください。
お支払いの方法
- 範囲の決まった開発:着手前に着手金をお支払いいただき、その後は合意したマイルストーンごとにお支払いいただきます。
- 月額の保守契約と専属チーム:毎月のご請求です。
- 通貨:請求はすべて米ドル建てです。
各回の金額や支払いの時期は、案件ごとに契約書で取り決めます。
当社が手がけた開発
公開の許可を得た案件だけをご紹介しています。成果の数値は載せず、何を作ったかだけを記載します。
Planivo (英語)
クリニックや病院向けの人員計画プラットフォームで、プラットフォーム全体とWebサイトを構築しました。6つの役割ごとに見える範囲を分け、休暇申請は3段階の承認と、専門分野ごとの重複チェックを経て処理されます。
SpeedyPrint
南アフリカの印刷通販サイトです。ブラウザ上のデザインエディター、CSVを使った可変データ印刷、校正の確認、PayFastでの決済を備えています。Next.js、React、TypeScript、Supabaseで構築しました。
レビューサイトのClutchでは、66件の検証済みレビューで5.0の評価をいただいています(2026年10月13日確認)。内容はClutchのプロフィール(英語)でご覧いただけます。これまでに40か国以上のお客様の開発を手がけてきました。
よくある質問
オフショア開発とは何ですか?
ソフトウェアやシステムの開発を、海外の開発会社や海外にある開発チームに任せることです。「オフショア」は「岸から離れた」という意味の英語で、ここでは国外を指します。国内の地方に委託する場合は、ニアショア開発と呼んで区別します。
インドのオフショア開発の単価はどのくらいですか?
オフショア開発.comの単価比較(2026年2月13日更新)では、インドの平均人月単価はプログラマーが37.5万円、シニアエンジニアが45.0万円、ブリッジSEが60.0万円、PMが67.5万円です。当社は人月単価ではなく、2週間の要件整理のあとに固定額で見積もります。
ラボ型開発と請負契約はどう違いますか?
請負契約は成果物の完成を約束する契約で、範囲を固めてから固定額で発注します。ラボ型開発は一定期間、専属のチームを確保する形で、民法でいえば準委任契約に近い考え方です。要件がはっきりしているなら請負、機能を継続して足していくならラボ型が向いています。
英語が得意でなくても依頼できますか?
最初のご相談は日本語で構いません。Live Chatでは、チームの返信がブラウザの言語に自動で機械翻訳されます。ただし、プロジェクト自体は英語で進めるため、英語の文書を読んで判断できる方が貴社にいることが前提です。日本語だけで進めたい場合は、日本語を話せるブリッジSEがいる会社をおすすめします。
個人データを扱うシステムをインドで開発できますか?
できますが、個人情報保護法第28条の確認が必要です。インドは個人情報保護委員会が同等の水準と定めた国に含まれないため、本人の同意を得るか、提供先の体制を契約などで確保します。開発中はダミーデータを使うのが確実です。最終的な判断は法務担当者や弁護士にご確認ください。
開発期間はどのくらいかかりますか?
最初に2週間の要件整理を行います。その後の開発は、MVPで8週間から12週間、本番運用するプラットフォームで16週間から28週間が目安です。大きなシステムは、モジュールごとに順番に公開します。
開発したコードの権利は誰のものになりますか?
契約の定め次第なので、署名の前に条項を確認してください。当社の基本契約書では、全額のお支払い後、貴社のプロジェクトのために作ったコード、デザイン、文章などの権利を貴社に譲渡します。リポジトリは最初のスプリントから貴社の名義で管理します。
日本に事務所はありますか?
ありません。事務所はニューヨークとデリーにあり、エンジニアはデリーとラクナウで働いています。日本からのご依頼もリモートで進めます。お問い合わせには専任チームが対応し、フォームには24時間以内にメールで返信します。
インドでの開発を検討中なら、まずご相談ください
要件がまとまっていなくても構いません。Live Chatには日本語で書き込めます。オンライン面談の予約ページは英語です。日本語のページの一覧はホームにあります。
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